1.私は肥満児だった

私は肥満児だった。

就寝前には「病気になっても何でもいいから痩せますように…」と、

悪魔にお祈りをしてから寝るのが習慣だった。

願いが叶って、私は糖尿病になった。

治療を一切せず、好きな物を好きなだけ食べたり飲んだりした。

あれから13年…

とうとう25kg減、41kgになった。

そして明日には、更に3kg減る。

夢にまで見た30kgだ。

だけど私は、もう夢しか見る事が出来ない。


<解説>

"糖尿病性眼症"になってしまって失明してしまったため、「夢しか見る」事が出来ない
そして、"糖尿病性壊そ"が起きてしまっていて、手足を切り落とす必要が明日出てきてしまった。





2.心霊写真


友達と二人で話してたら、

久しぶりに心霊写真を撮ってみたいと誰かが言い出したので、

近くの山道に惨殺事件があってからも

未だに取り壊されず残されてた民家があるので夜中に行ってみた。

玄関から居間、風呂場とトイレ、キッチンに父親の書斎、階段から二階へ行き、

子供部屋からベランダを通り親の寝室、階段を降りて一階へ。

最後に家をバックに一人ずつ。片っ端から写真撮って帰った。



んで今日。出来上がった写真を見て俺達は驚いた。



何も写ってないのだ。

もちろん俺達は普通に写ってる。霊的な物が何も写ってなかったのだ。

「・・おかしくね?」

「もう成仏しちゃったとか、じゃねぇかな?」

「やっぱそうなのかな。じゃあ、あそこ行ってももう心霊写真撮れないって事か。無駄だっ
たなぁ」

「そうでもないよ。行く途中に結構周りから孤立してる民家、一軒あるから。次はそこ行こ
うぜ」

「おぉ!マジで?そこも廃墟?」

「んな訳ねぇじゃん。普通に人住んでたよ。今日の夜行こうぜ」

「おっけ、分かった。今の内に適当に準備しとくわ」

楽しみだ。かなり久しぶりだから何かワクワクする

<解説>

会話してる2人は惨殺事件の犯人
民家の人危ない。



3.親父の反対

俺は希望していた企業、A社に内定が決まった。
大学卒業後、実家からかなり離れた他県で働く事になった。

お袋と弟・妹は大喜びしてくれたが、親父は猛反対した。

親父は「何故家に近いところにしなかったんだ。お前はA社には向いてない。
俺の勤めているB社に掛け合ってやるから内定取り消せ。俺の部下にしてやる」
と俺に言ってきた。

いくらなんでも親父の部下になるのは嫌だったので親父の反対を押し切り、
A社に入社した。

A社での俺は仕事は大変だったが、それでもまじめにこなし、
やがて先輩や上司からも一目置かれるようになった。

「入社して本当によかったなあ」と思うようになった。

実家には入社してからは一度も帰っていない。
ただ、お袋・弟・妹とはメールで頻繁に近況報告している。

親父とは全く連絡はとっていない。
いや、何言われるかわからないからとらないことにした。

しかし数年後、ある日を境に俺の周りの人間の対応が急に冷たくなった。
何でだろうなと思っていたら社長に呼び出された。

「君、この会社辞めてくれないか」と突然の解雇通告。

まじめにやってきたのにどうしてですかと反論したが、
社長は詳しい理由は言わなかった。

この件をお袋に相談しようとしたが、
「おかけになった電話番号は・・・」というアナウンスしか流れず、つながらない。

同じく弟・妹の携帯にもつながらない。

昨日までかかっていたのに何故…。
親父に相談するのは嫌だったので、
再就職先を探す事にした。

しかし、どの会社も履歴書を見た途端、「君はこの会社には向かないね」と言い、
どこも雇ってくれない。

仕方なく、親父に頭を下げて親父の会社に入ろうとして実家に戻ったが、
実家が見当たらない。

焦げたような跡がある。火災で全焼したようだ。
親父とお袋と弟・妹はどこへ行ったと思っていたら
近所のおばさんが俺を見つけて話し掛けてきた。

「あんたのお母さんと弟さんと妹さん、火事で亡くなったの」

大変なショックを受けた。
親父はどこへ行ったんですかと言ったら、
おばさんは家から持ってきた新聞を見せてくれた。

親父・・・一生許さん。


<解説>

オヤジが家族惨殺の上放火したせいで仕事が首になった


4.壊れたロープ

友人とキャンプに行った話。一人で歩いてると長い吊り橋が。下は川だけど、落ちたらヤバイ高さ。渡っていたらいきなり踏み板が外れ転落!幸いネットに引っかかった俺は助かった。慌てて友人が駆けつけてきた。俺「死ぬかと思った」友人「大丈夫だったか?ロープ位修理して欲しいよな」

<解説>
「俺」を橋から落とす目的であらかじめ友人がロープに細工をしていた。
(外れたのはロープではなく踏み板なので)



5.夏休み

今日は父さんが帰ってくる日だ。

父さんは船乗りで家にあまりいないから、帰ってくるときはすごくうれしい。

にこにこ顔の父さんを久しぶりに見ると、僕も弟もつられてにこにこ笑ってしまう。

母さんもとても楽しそうで、父さんのいる間はテーブルにごちそうがいっぱい並ぶ。

お休みが終わるころ、父さんは僕と弟をかわるがわる抱っこすると、「大きくなるんだぞ!」と言って、また船の旅に出る。

僕も弟も、父さんに会えるのがとても楽しみなんだ。

哀しい知らせが入った。

父さんの乗っていた船が沈んで、父さんは二度と家に帰れなくなったという。

僕と弟は泣いた。

父さんがいない間だけだから、我慢できたのに。

最悪なことに、今日から僕らは夏休みだ。

僕と弟は、もう秋を迎えることはできないだろう。
俺だった。

<解説>
子供は虐待を受けていて、父が帰ってくるときにしか満足に食事をとることができなかった。
夏休みは給食がない。



6.手土産

誰もいない駅で電車を待っている。
俺の父ちゃん、母ちゃん元気かなぁ。

家族と会うのも久しぶりだしな。
父ちゃんが好きな地酒と地元のお菓子を土産に電車を来るのを待った。

路線に敷き詰められた石を見ていると、懐かしい少年時代を思い出した。
足で石と石をぶつけては片方を前進させる。

何がおもしろいんだと感じるが子供心にはおもしろかったんだろう。。

 

<解説>

両親他界済み。
書き手はレールの上にいる。
手土産持って自殺しようとしてる。



7.廃墟

俺が小学生の頃の話。

俺が住んでいた町に廃墟があった。

2階建てのアパートみたいな建物で、壁がコンクリートでできていた。

ガラスがほとんど割れていて、壁も汚れてボロボロだったから、地元の人間でも、あまり

この場所に近づくことはなかったらしい。

ある日俺は、友人と肝試しをすることになって、この廃墟に行くことにした。

まだ昼ぐらいだったから、建物の2階まで上がって建物を探索した。

そしたら並んでいる扉のひとつに、文字が書いてあるものがあった。

友人と近づいて確認してみると、扉の前に

「わたしは このさきの へやに いるよ」

と書いてあった。

俺と友人は扉を開けて中に入り、先に進むことにした。

歩いて行くと分かれ道に突き当たって 、壁に

「わたしは ひだり に いるよ」

と書いてあった。

少し怖くなったけれど、俺と友人はそのまま左に進むことにした。

すると両側に部屋があるところに突き当たって、壁に

「あたまは ひだり からだは みぎ」

と書いてあった。

友人はこれを見た瞬間に、半狂乱になって逃げだした。

でも俺はその場所にとどまって、勇気を出して右の部屋に行くことにした。

部屋に入り進んでいくと、突き当たりの壁に

「わたしの からだは このしたにいるよ」

と書いてあった。下を見ると

「ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね」

俺は急いで、その部屋の窓から飛び降りて逃げた。

それからはもう、その場所には近づいていない。


<解説>
最後のだけ「書いてあった」が無い
左の部屋のあたまが俺の後ろまできて「ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね」
と話しかけている。



8.焼死した幽霊

出張で泊まるホテルは同僚が出るぞーって散々脅していたところだ。
ビビりな俺はガクブルでその夜ベッドに入った。

案の定夜にドアをノックする音がする。
ホテルの人かな?と思い声をかけたが返事がない。

もうドアも見るのも怖くてひたすらノックの音がする中夜が明けた。
ノックが止んだ後俺はすぐにチェックアウトした。

出張から帰って同僚にノックの話をすると
「やっぱりでたか」とこんな話をした。

そのホテルは以前火事になり逃げ遅れた人がいたという。
その人は運悪く部屋の中に閉じ込められてそのまま亡くなったそうだ。

ああ良かった、ドアを開けたらどうなっていたか。

<解説>
内側で焼死した霊がいる。
ってことはそとがわではなく内側からノックしいてた。



9.本当の首の位置

よそ見運転をしたトラックがバイクに激突する事故があった。救急隊が現場に駆けつけるとバイクの男性は首が180度逆の位置にあった。無駄だと分かっていたが救急隊は首を元に捻じって戻した。結局その男性は死亡した。しかし事故当時男性は風除けのためにジャケットを後前に着ていたらしい。

<解説>

ジャケットを前後(180度)=救急隊員が首を捻った



10.写真

俺の誕生日に、ホームパーティを開いたわけ。
その時、家の中で皆の写真をとってみたら、変なものが映っちゃったのよ。
背後の押入れから見知らぬ真っ白い顔して真っ赤な目の女が顔を出して、こっち睨みつけて
んの。
これやべーじゃんってことで、霊能者に写真を鑑定してもらった。
そしたら、「この写真からは霊気を感じない。心霊写真でも何でもないよ。」だとさ。
あ~あ、ビックリさせやがって全く。

<解説>
赤目女は幽霊じゃない
実在した物。